絶対に死にたくない!不老不死になりたい!という思想の持ち主であるライターのセブ山が、不老不死の手がかりを探すべく「ベニクラゲ」の研究者にお話をうかがってきました。 死なずに若返るというベニクラゲによって、人類は不老不死になることができるのでしょうか?
こんにちは、ライターのセブ山です。
みなさんは、不老不死になりたいと願ったことはありますか?
僕は「老い」と「死」が何よりも怖いので、常々、不老不死になりたいと思っています。
いや冗談ではなく、本気で思っています。
しかしそういう話をすると、『いや、やがて人は皆死んでしまうから美しいんだよ』とか、『死にたくても死ねないのは結構ツライと思うよ』と言ってくる人らがどこからともなく沸いてきます。
ふざけんなって。できるだけ長く生きたいというのが人間の本能なはずでしょ?
『死にたくても死ねない』と苦悩するとか、話が飛躍しすぎています。こういうこと言う奴らは漫画の読みすぎです。
そこで今回は「不老不死」について調べてみたいと思います。
こんにちは、株式会社バーグハンバーグバーグのかんちと申します。
先日セブ山さんと話している時に、不老不死の話題になりました。
セブ山さんが「けっこう本気で不老不死になりたいんだよね」と言っていたので、
「いや、やがて人は皆死んでしまうから美しいんですよ!それに死にたくても死ねないのは結構ツライんじゃないですかね」
と言ったところ、マジギレされてしまいました。
「『死にたくても死ねない』で苦悩するとか、そんなの漫画の読み過ぎだ!」など散々罵倒された挙句、なぜか一緒に「不老不死」について調べることになってしまいました。
そこで今回、不老不死について詳しい人物を探していた所、こちらの京都大学准教授の久保田信先生にお話を伺うことができました。
京都大学 准教授
久保田信(くぼた・しん)
1952年愛媛県生まれ
海洋生態系部門 基礎海洋生物学分野が専門
京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所 所属
久保田先生は、不老不死の生き物「ベニクラゲ」を研究されている第一人者。ベニクラゲの研究を通して、生物学の観点から不老不死にアプローチされています。
そんな久保田先生に不老不死について詳しく教えてもらいましょう!
はたして、人類は永遠の命を手にすることは可能なのでしょうか?
「というわけで、本日はよろしくお願いします」
「どうぞよろしくお願いします」
「早速ですが、久保田先生! 不老不死になることは可能なのでしょうか?」
「はい、可能です」
「やったー!!!! 不老不死になることは可能だー!!!!」
というわけで、不老不死になることは可能だということがわかりました!
これで老いや死に怯える必要はもうありません!
あなたも不老不死になってみては?
「おいおいおい、待て待て待て! 終わるな!」
「えー」
「結論付けるのが早いですよ! 久保田先生、不老不死になるのは可能とのことですが、すでにその方法は発見されているんですか?」
「可能だとは言いましたが、残念ながら今のところ、その方法はまだ見つかっていません」
「え、そうなんですか!? じゃあ、なぜ可能だって言ったんですか?」
「それを説明する前に、私の研究しているベニクラゲについて知ってもらう必要があります」
「成熟し子孫を残した後、徐々に衰弱し海中に溶けて消滅する。これが通常のクラゲの一生です」
「クラゲだけじゃなくて、徐々に老化して死んでいくのは他の生き物もそうですよね」
「しかし、ベニクラゲは衰弱した後、『ポリプ』と呼ばれる状態(いわゆる『幼虫』のような状態)に若返り、そこから再びベニクラゲが生まれてくることが発見されています」
「おお、まさに不老不死!」
「厳密に言うと、ベニクラゲも老いはするので不老ではないのですが、最終的には再び若返るので、不老不死のクラゲと呼んでもいいと思います」
「蝶がイモ虫に戻ったという事例はありませんが、ベニクラゲはそれを何度もするんです」
「そう考えると、たしかにすごい」
「でも、先生? それは、クラゲの話ですよね? 人間に応用することは無理じゃないですか?」
「そうかもしれません。しかし、これを見てください」
「なんですか、これは?」
「これは、うち(京都大学白浜水族館)のオリジナルなんですが、系統樹といって体のつくりがよく似ている生物をグループ(動物門)に分けたものです。よく見ていただくとわかるのですが、クラゲも人間も、つながっているんです」
「ああ、たしかに。クラゲと人間はかなり離れていますが、系統樹でつながってはいますね」
「そうなんです。今まで不死を確認できたのはバクテリアなどの単細胞生物だけでした。動物などの多細胞生物は、老化や死からは逃れられない…とされてきました」
「さっきのベニクラゲは、違いますよね」
「そうです。元を辿れば、クラゲも人間も同じ祖先です。生物の設計図(ゲノム)も共通しているものもあるでしょう。だから私は可能だと信じて日々、研究しています」
「なるほど、だから冒頭で先生は可能だとおっしゃったんですね」
「先生が行っているベニクラゲの研究ですが、人間に不老不死が応用できるまであとどれくらいかかりそうですか?」
「一刻も早く不老不死になりたいのですが」
「ほど遠いですね。まだ第一歩が出たところなので」
「えぇ……」
「ベニクラゲについては、世界中で私しか研究していないんです。なので、残念ながら研究は遅れています」
「たのみますよ、先生!」
「最近になって、私の研究がアメリカの新聞『New York Times』に紹介されたり、ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されたドキュメンタリー映画『Spira Mirabilis』に出演させていただいたりということもあり、協力者がぽつぽつと現れてきています。なので、今後は加速度的に進むと思うのですが」
「おぉ…、世界的メディアに取り上げられるって凄いですね」
「不老不死の研究は、進捗率でいうと全体の何%くらいなのでしょうか?」
「うーん、1パ……いや、数パーセントですね」
「数パーセントかぁ~。完成するまであと何年くらいかかりそうでしょうか?」
「20年以内には発見したいと思っています」
「おおっ! 20年以内! なぜ20年以内を目標に掲げているんですか? なにか根拠があるんですか?」
「それまでに発見しないと私の寿命が先に……」
「あぁ、なるほど……」
「まだまだこれから研究が必要そうですが、もしかしたら不老不死になることは可能かもしれないとわかっただけで僕は嬉しいですよ! 先生、がんばってくださいね!」
「ありがとうございます」
「でも、不老不死ってそんなに良いものなんですかね?」
「おいおいおい、どういうことだよ」
「いや、だって、漫画や小説では、たびたび不老不死の力を手に入れたキャラクターが描かれることがありますけど、そのほとんどが『死にたくても死ねない』という苦悩を抱えています。現実でも、そういうことが起きませんかね?」
「それはおかしいですね。人間の本能として」
「でも、漫画や小説のキャラクターたちは、不老不死のまま永遠に敵と戦い続けないといけなくなったり、宇宙空間を彷徨い続けたりして、かなりツラい状況に陥ることが多いです。そして、死にたくても死ねないという苦悩を抱えている描写がけっこうあると思うのですが」
「それは、目的が無いからですよ」
「目的ですか…?」
「なぜ不老不死のまま永遠に敵と戦い続けないといけなくなったり、宇宙空間を彷徨い続けたりしているのか知りませんが、その人物達は目的が無いから、ツライんです! 目的を持てば、人生はいくら時間があっても足りないですよ!」
「はあ」
「その不老不死のキャラクターたちに、小さくおさまる人間になるな、と言ってあげたいですね」
「でも、人類がベニクラゲのような不老不死の体を手に入れた世の中が来たら、ひとつ、心配なことがあります」
「なんですか?」
「たとえば、自分が人生1周目の40歳だとするじゃないですか。その時に、人生2周目の20歳の子がいた場合、その子にも敬語でしゃべらないといけないんでしょうか?」
「なんですか、その質問は。気持ちはわかりますけど、不老不死になってもそこ気になりますかね…?」
「先生はどう思われますか?」
「人類みな兄弟ですわ。気安く呼べばいいんですよ」
「でも、年下に馴れ馴れしく話しかけられたり、舐めた態度を取られたら腹立つんじゃないですか!」
「不老不死になったら、みんな同じなんです。先輩も後輩もない。なぜなら、先に生まれた人なんていなくなるんですから」
「そっか。どうせみんな永遠に生きるんだから、先輩も後輩もなくなるのか! じゃあ逆に目上の人に舐めた口聞いてもいいんだ! やったー!」
「いや、そんな敬語とか上下関係の話よりも、もっと深刻な問題があるでしょ!」
「え、なんですか?」
「人口爆発ですよ! 不老不死が可能になった世界では、人の数がどんどん増えていき、やがて人口爆発が起こるんじゃないかと思うのですが…?」
「ああ、それは大丈夫ですよ」
「大丈夫なんですか? なぜ、言い切れるんですか…?」
「人類が不老不死になったら、子供を作ることはやめにしたらいいんです」
「(やっべーな!) いや、でもそんなルール、守らない人も出てくるんじゃないですか?」
「それは厳しく罰します。不老不死になる代わりに子供を作るのをやめてもらう。もし子どもを作ってしまったら……その人はこの世から消えてもらい、新しい命と交代してもらう。これはなかなかいいアイデアでしょう。そうすれば地球の人口は一定数を保てます! みんなが幸せな理想郷です!」
「ユートピアですね!」
「ディストピアですよ…」
「ところで、久保田先生はどうして不老不死になりたいのですか?」
「私は、小さいころから生き物が大好きで、クラゲに限らず、いろんな生き物を観察してきました。もっともっといろんな生物を研究して、生物のライフヒストリーをすべて解き明かしたいんです」
「熱意がすごいですね」
「でも、地球上には動物は約144万種が生息しています」
「144万種!?」
「そのひとつひとつを研究していたら、時間がいくらあっても足りません。だから私は、不老不死の身体を手に入れ、すべての生物の謎を究明して、生物学を極めたいんです」
「なるほど。それがさっき先生が言っていた、不老不死になって生きる『目的』に繋がるんですね」
「ようやく知識も経験も身につけて、これからっていう時に死期が迫ってくる。こんな悲しいことはありません。もっと知りたい。もっと生物を研究したい!」
「ただ老いたくないから、という理由で不老不死になりたいなりたいと言っていた自分が恥ずかしくなってきました……」
「先生にとっては、不老不死はただの通り道に過ぎないんですね」
「そうなんですよ。不老不死になって、すべての生物の謎を知れたら、きっと争いもなくなると思うんです」
「世界平和ですか?」
「そうです。永遠に続く生命の物語を知れば人を傷つけたり、争ったりは無くなるはずです」
「先生はその先の見据えているんですね」
「そういうことをもっとよく知ってもらうために私は、収入の全部を使って……
「歌を歌うんです」
「ん? なんですか?」
「歌を……うたう?」
久保田先生の歌声はYouTubeで聞けるぞ!
「生物の神秘をもっと多くの人に知ってもらうために、私はこれからも歌い続けます」
「応援しています」
……というわけで残念ながら、今はまだ人類が不老不死になる方法は発見されていませんでした。
しかしながら今回わかったことは、いつか人は不老不死を手に入れられる……かもしれないということです。
その日が来るまで生きていられるように、1日でも長く生きられるように、健康には気をつけていきましょう。
おしまい
さて、健康にいいといえば……緑色の飲み物『青汁』ですね!
でも、青汁っていろいろ種類があって、どれを買えばいいかイマイチよくわからないと思います。
こちらの青汁の専門サイト「なるほど青汁」では、管理栄養士による青汁の解説や選び方、効果的に美味しく飲む方法などを紹介していて、漫画コンテンツ等も充実しており、気軽に自分に合った青汁を見つけることができます。
僕も青汁を飲んで不老不死の体が手に入る日を待ちたいと思います。